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2023年12月26日火曜日

「MSX DEVCON」アムステルダム報告会

「MSX DEVCON」アムステルダム報告会 概要

12月26日、「MSX DEVCON」アムステルダム報告会に参加してきました。

今回のイベントは、西 和彦さんによりオランダ、アムステルダムで12月9日に開かれた「DEVCON」の報告会です。

会場は、東京国立博物館・平成館大講堂で13:00より行われました。

東京国立博物館・平成館大講堂


以下のように、事前にX(旧Twitter)で参加人数を調査され、300人ほどの会場を用意されたとのことですが…


実際に会場に集ったのは、多くて100人を少し超える程度。

しかしこれは、決して日本での「MSX3」への関心が低くなったわけではないでしょう。

まず、この年末の多忙な時期というタイミング、それに加え、ネット配信や録画で自宅で参加したいというニーズが高かったものと考えられます。

それでも、アムステルダムでのイベントの報告をいち早く日本のファンに届けたいという西さんの思いは伝わってきます。

「MSX3」は、あくまでも「Made in Japan」の精神にブレはありません。

おそらく、後日、会場の模様は録画でも配信されるでしょうから、あえてこのブログで報告会の内容を細々と記述する必要はないでしょう。

ここでは、個人的な感想を勝手に述べさせていただきたいと思います。

会場の様子


「MSX3」は高価なHDMIセレクタ?

すでに公開されている「MSX3」のプロトタイプの姿は以下の通りです。


今回の報告会において、初めて「MSX3」の具体的な姿、そして目指す方向性が見えてきました。

まず「MSX3」は、どのカテゴリーの製品なのかということです。

今、私たちが普段使用している情報機器は、パソコンとスマートフォンの二つです。

40年前に発売されたMSXは、一般的にはパソコンというカテゴリに属する製品でした。

したがって、その後継としての「MSX3」もまたパソコンであると考える方が自然ではあります。

では、現在広く使われているWindowsやMacOSと競合するものを目指すのか?

答えはノーです。

パソコンよりも遥かに気軽でウェアラブルなスマートフォンの立ち位置ではどうでしょう。

「MSX3」は、iOSやAndroidと競合するものを目指すのか?

こちらも、答えはノーです。

いずれの方向も、既に双璧がシェアを争う構図が確定しており、今後数年に渡って大きな変化はないでしょう。

MSXが、今からこれらの分野の3番手を狙うのは現実的ではありません。

では、どうするか?

そもそも、40年前に発売されたMSXが単なる「パソコン」であったのかどうかを疑う必要があります。

当時、人々が直に使い得る情報機器は、非常に高価なオフィスコンピュータくらいなものでした。

(PC88や、ましてやPC98は、非常に高価でした。)

それより規模は小さいものの、安価で、一般の人が購入できる価格でコンピュータを提供したことが、MSXの偉業と言えるでしょう。

それが、日本のその後のモノづくり、技術者の育成にどれだけの貢献をしたかを含めて。

このように、MSXとは「パソコン」とういう概念に囚われず「安価に入手できる、本来手にできなかったモノ」と定義すれば、「MSX3」は必ずしも第3のパソコンでなくても良いのです。

では現在、個人ではなかなか手にできない情報機器とは何でしょうか?

それは、富岳などに代表されるスーパーコンピュータです。

西さんの思い描く近未来とは、誰もがスーパーコンピュータ…つまり「MSX3」を使って、ユーザが個人でメタバースを運営したり、AIを育てたり、気象予報が可能となる世界でしょう。

更には、日本のモノづくりへの貢献です。

国立研究開発法人、産業技術総合研究所のスーパーコンピュータ、AI橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI) は、多くの企業によって、数カ月先まで予約が埋まっている状態だと聞きます。

スーパーコンピュータを使いたくても使えない状況。

「MSX3」には、このような状況を打開し、スピーディーに企業や個人が大規模なシステムの開発を推進できる起点になる可能性すら感じさせます。

重要なことは、MSXは、それらが可能な砂場(サンドボックス)を安く提供するまではやります、と。

しかし、その砂場でどういう遊びをするのかは、ユーザに委ねられている点です。

したがって「MSX3」は、ユーザが何も手を加えなければ、高価なHDMIセレクタに過ぎないと、西さんは仰られました。

用意されていないものは、自分で作る。

この精神性もまた、MSXの伝統と言えるでしょう。


「MSX3」を簡単にまとめると…


◯インターネット接続

◯HDMI接続の映像出力

◯32bitと64bitのCPU

◯メタバースに対応し得るビデオとオーディオ

◯すべての人にスーパーコンピュータを

◯IoTへの新たなるアプローチ


これらは、既にプロトタイプに実装されているといいます。

より具体的な中身については、今後発表されるSDK(Software Development Kit)を精査する必要があります。

待ち遠しいですね!


「MSX3」と「MSX turbo」の関係は?

「すべての人にスーパーコンピュータを」

このベクトルは、本来、3つある新しいMSXの内の一つ「MSX turbo」が担う分野だったはずです。

私も「MSX3」とは全く別のラインで、スーパーコンピュータ「MSX turbo」が登場するものと思っていましたが、どうやら違ったようです。

「MSX3」は、そのCPUボードを最大16枚スタックすることができるそうです。

すなわち、ユーザのニーズ、必要な処理速度に合わせてCPUボードを増設することによって、メニコアのシステムに育てて行くことが可能とのこと。

つまり「MSX turbo」とは「MSX3」の延長であると解釈するのが正解のようです。


「お前のMSX、何段?」

「今は8段だけど、次のボーナスで12段にするぜ!」


…なんて会話が、ヘビーユーザの間で交わされるのでしょうか?

「MSX3」のOSはLinuxベースであり、その上に「TAOX」というレイヤーを被せます。

「TAOX」自体は、OSというよりもPosixに依存するフレームワークのようで、ロボット・アプリケーションの分野で普及する「ROS」に近いイメージでしょうか。

おそらく、この「TAOX」が、CSP(Communicating sequential processes)すなわち、並行処理を担うレイヤーになるでしょう。

「TAOX」は、以前から開発されているものですが、一般的に情報は少なく、こちらについても詳細はSDK待ちということになるでしょう。

以前のDEVCONでは、プログラミング言語として「Occam」を使用すると説明がありましたが、今回は触れられていません。

流石に古すぎたか?

個人的には、CSPの思想を受け継ぐのであれば、今であれば「Go lang」が使えると面白いと思います。


ゲームは重要!

ゲームに関しては、西さん独特のシニカルな言い回しで仰いました。

「わたしゃゲームは嫌いだ。でも、MSXにとってゲームは非常に重要だ。

同時に、現在「kibidango」でのクラウドファンディングで募集中のMSX0各機種が、非常に苦戦しているとのことでした。

確かにキツそうです。

(購入予定はなかったけど、急遽応援します。)

クラウドファンディング苦戦中


この原因について、西さんは「ゲームを置き去りにしてしまった。ゲームは今までMSXが生き残ってきた重要な要素であり、今後はそれを無視できない。」と仰っています。

西さんのことですから、今後、この分野でも大きな動きを起こすでしょう。

また、この日も「株式会社D4エンタープライズ」の鈴木代表も登壇されましたが、ゲームの供給という点でプレッシャーは大きいでしょう。

そもそも「MSX3」は「メタバースに対応し得るビデオとオーディオ」を搭載できます。

8K対応の「ORIN GPU」で「Open GL」に対応するとのことで、旧作ばかりではなく、新しい、そして、かなり高度なゲームを開発できる土壌はあるはず。

有力なサードパーティの参入に期待したいところですが、それには何より、まずユーザサイドで盛り上がる必要がありますね。

メーカーに、活発な市場と思わせなければなりません。

配布資料の黄色リボン


西さん、ここまでのMSX3に開発経緯を記した「反省記2」の執筆も進めているそうです。

前作の「反省記」も、モノづくりに関わる人間の一人として、着眼点やその発想の方法に大きな感銘を受けた内容でした。

こちらも楽しみです。

さて、まだまだ目が離せないMSX界隈の状況。

今後も注目していきたいと思います。

皆様、良いお年を!

2023年9月29日金曜日

「MSX0 Stack」がやってきた!

ついに我が家にも「MSX0 Stack」が到着しました!

「MSX0 Stack」 - 1


「MSX」とは何ぞや?…という方は、コチラを参考にしてください。

入手方法はクラウドファンディングで、すでに受付は終了し新たに入手することはできませんが、そのうちAmazonなどでも気軽に買えるようになるかもしれません。

入手し損ねた方は、期待して待ちましょう!

早速、届いたダンボールを開封。

丁寧に梱包されています。

ダンボール開封


私がオーダーしたのは、最もスタンダードな「PLAN A」というもの。

2つのパッケージが出てきました。

2つのパッケージ


このうち「BOTTOM2」というのは拡張バッテリーのようです。

本体は「FACES」と書いてあるプラスチックの箱の中に入っているみたいです。

では、プラスチックの箱を開けてみましょう。

こういう瞬間が楽しいのです!

ご丁寧に、アダプタ付きのSDカードとUSB Cのケーブルが見えますね。

ここでも発泡スチロールで厳重に梱包されています。

開封 - 1


では、一番上に被さっている発泡スチロールを除けてみましょう。

ついに本体と対面です!

コンゴトモヨロシク!

開封 - 2


今回届いたものを全て展開すると以下のようになります。

ゲーム用のパッドや、簡単な工具、ステッカーなども入っていますね。

内容物全て


何はともあれ動作チェックです。

工場出荷時の設定では、充電池の保護のために給電がオープンになっていますので、本体背面のスイッチを「0」から「1」に切り替える必要があります。

「MSX0 Stack」 - 2


これ以降は、本体右側の電源スイッチでON/OFFができるようになります。

ONはワンプッシュ

OFFは長押しですね。

さて、通電しているはずなので、画面を観てみましょう!

ノスタルジックな「MSX」ロゴが表示されましたよ~!!

「MSX0 Stack」 - 3


「MSX」ロゴが消えると、すぐにROMベーシックが立ち上がります。

流石に、文字が小さいです。

「MSX」で遊んだ世代の中では私は若輩者の方だと思うのですが、老眼が始まっているのか結構キツい…。

みんな大丈夫なの!?

「MSX0 Stack」 - 4


動作チェック完了!

マニュアルやソフトウェアは、付属のSDカードの中に記録されています。

ソフトウェアは、以下のものが収録されているようです。


●Windows版リモートコントロールパネル

●MSX0システムメニュープログラム

●MSX-DOS TOOLS

●MSX-S BUG(デバッガ)

●MSX-DOS2(英語)

●MSX-DOS2(日本語)

●MSX-DOS2 TOOLS

●MSX-S BUG2(デバッガ)

●MSX-C(Cコンパイラ)

●MSX-C Library

●IoT BASIC サンプルプログラム


これだけあれば、色々なプログラムを作って遊べそうですね!

特に、Cコンパイラはありがたい!

当時は高嶺の花でしたからね~。

…と言っても2万円くらいでしたが、子供にとっては…ねぇ。

最後に「MSX0 Stack」と以前ご紹介した「1chip MSX」の2ショットです。

クリアブルーの筐体が、妙な統一感を醸し出していて素敵です。

「MSX0 Stack」と「1chip MSX」


さて、しばらくは付属のSDカードの中のマニュアル類を読み漁って暇(暇じゃない!)を潰すのも良し。

いきなりプログラムを書き始めるのも良し。


何をしようか考える前に、何ができるかを考える…。

何ができるかを考える前に、何をしようか考える…。


仕事なら前者、趣味なら後者でもOKでしょ!

2023年3月13日月曜日

MSX DEVCON 3 その2

3月12日(日)の「MSX DEVCON3」行ってまいりました。

場所は、秋葉原UDX 6Fのカンファレンスルーム。

秋葉原UDX


秋葉原に来る頻度も多いし、UDXも(特に地下駐車場)よく利用していますが、ここまで足を踏み入れたのは初めてだな…。

案内表示板


会場を入ると、前回の東京大学での「MSX DEVCON 1 Tokyo」の時とは打って変わって、アカデミックな雰囲気。

東京大学でやるほうがアカデミックな感じが漂いそうなものですが…。

今日の内容は、私ごときがついていけるものだろうか?と、心の中で冷や汗。

参加者は、ゲーム好きというよりも、ベテランの技術者や企業の役員風の方が多かったですね。


私は15:30からの第2部での参加となりました。

時間となり、今回の次世代MSXのフロントマンである、西 和彦さんが登壇へ。

大変朗らかな方ですが流石に「天才」と呼ばれる方、醸し出すオーラは半端じゃない!

さて、気になる内容ですが、次世代MSXのラインナップの中でも最も小規模な、IoTエッジとしての「MSX0」の詳細情報が中心でした。

現在、クラウドファンディングで募集をかけている「MSX0 Stack」の具体的な使い方まで。

MSX0 Stack


あとは、他のカテゴリである「MSX3」、「MSX Turbo」の今後の予定など。

さらに、ゲーマーの方は注目!

プロジェクトEGG」の代表取締役、鈴木直人さんの講演など、盛り沢山な内容でした。


今回も守秘義務があると思いますので、詳細を述べるのは差し控えたいと思いますが、個人的に一番気になったのは「MSX0 Stack」に使用されているマイコン「ESP32」のことです。


ESP32とは?

このマイコンに関する詳細は、こちらをご覧いただくとして、簡単に言ってしまうとWiFiとBluetoothのモジュールが両方乗っていて、マルチコアで性能が高く、そのうえ激安という「化け物」のようなマイコンです。

電子工作好きの間では超有名な存在。

アメリカのTensilica社がライセンスする「Xtensa LX6」CPUコアを用い、台湾のTSMCで製造されている、中国のEspressif Systems社の製品となります。

ESP32


「MSX0 Stack」は、この「Xtensa LX6」CPUコアの上でZ80エミュレータを動かし、MSXのシステムを動作させる仕組みです。

問題は、ココです!

アメリカ、というより西側のライセンスによる中国製のマイコン…。

これが懸念事項です。

御存知の通り、アメリカおよび西側諸国と、中国との国際関係に懸念が多い情勢です。

仮に、アメリカの知的財産保護政策により、Tensilica社によるライセンスが停止された場合、中国のEspressif Systems社のこの「ESP32」マイコンはいつディスコンになるのか分からない存在です。

そんな馬鹿な!?…と思われる方、中国でのARMアーキテクチャの現状を是非御覧ください。

あくまで「MSX0」をホビー用途として使用するだけなら問題は大きくありませんが、私のように、いつか「MSX0」規格をビジネスとして使用することを目論んでいる人間にとっては、この点は無視できない課題となります。

私も、この話題の「ESP32」マイコンに例のごとくRTOSを移植して遊ぼうと思ったことがありましたが、この懸念から、このマイコンの未来は暗いかもしれない…と思い、途中でやめてしまったという経緯があります。

(それ以上に、技術的な問題が大きかったわけですが、それに関しては機会があれば書かせていただきたく思います。)

ましてや、自社のマスプロダクト品に採用することなど到底考えられません。

安くて、すっごく魅力的なマイコンなのにぃ~!

ヒトでもモノでも、国籍による差別はいけませんが、ビジネスともなると倫理一辺倒では通用しない世の中…。


とはいえ、「MSX0」に限らず次世代MSXの全てのラインナップは、ハードウェアとソフトウェアを完全に切り離して考えるコンセプトが徹底されています。

仮にESP32がなくなってしまっても、ARMとか、別のアーキテクチャ上で動く「MSX0」を作れば良いし、ARM上で動くZ80エミュレータなんてありふれてますよね?

無ければ作れば良いのです!

その精神が大切だし、それが楽しいのです。

西さんも仰っていました。

過程が楽しいんだ!」と…。


さて、「MSX0」に使用されるマイコンに関して、ややネガティブな内容を書いてしまいましたが、どうかこれが杞憂に終わりますように。

世界平和を切に願うものです。

2023年3月8日水曜日

MSX DEVCON 3 その1

来る3月12日に「MSX DEVCON 3」が開催されます。

前回の「MSX DEVCON 1 Tokyo」に引き続き、参加して来ようと思います!

「MSX0 Stack」クラウドファンディング


プロジェクトの中心人物、西 和彦さんの提唱する「次世代MSX」は、単純に「MSX3」という名称で一括りにされている傾向があります。

その方がセンセーショナルだからと思いますが、これは大きく分けて以下の3つのコンセプトで構成されており、その総称と言えます。


●MSX0 - IoTエッジ

●MSX3 - パーソナルコンピュータ

●MSX Turbo - スーパーコンピュータ


上から順に現在の状況をあくまで私なりに整理したいと思います。


MSX0 - IoTエッジ

これに関しては、既にこの企画に沿った製品の第一号である「MSX0 Stack」のクラウドファンディングが開始されています。

冒頭の画像の通り、概ね順調に推移しているようで何よりです。

「MSX0 Stack」は、IoTエッジである「MSX0」規格ではありますが、これ単体でもMSX/MSX2/MSX2+用のソフトウェアが動作するようです。

(「MSXturboR」は言及されてません。多分無理かと。)

「MSX0 Stack」だけではなく他の「MSX0」規格の製品のリリースも数多く計画されているようです。

非常に良くまとまった記事がありますので、ご参考に。

もし、あなたが古くからのMSXユーザーであり、手持ちのソフトウェアを使いたい、また遊びたいという目的をお持ちなら、この「MSX0」規格の製品を購入すれば十分に事は足りるでしょう。

そうではなく、IoTエッジとして活用したい場合は、センサーとの接続や、そこからデータを回収する仕組み、更にそれを上層に上げる仕組みを習得する必要があるでしょう。

おそらく、そのためのプログラミング言語としては「BASIC」が筆頭でしょうが、他の言語は?対応するセンサーの種類は?具体的なAPIの仕様は?などの情報は、直近のDEVCONも含め、徐々に明らかになっていくことでしょう。


MSX3 - パーソナルコンピュータ

「MSXturboR」に続く待望の次世代MSXです。

上記の「MSX0」の進捗の影響で計画が遅れているということですが、現在のところ、かつての「1chipMSX」と似たような形態での製品が今年Q3に発表される予定となっているようです。

もし、あなたがゲーマーならば、一番注目すべきカテゴリでしょう。

このMSX3を単なるゲームマシンと見た場合、気になるのはそのスペックと参入するサードパーティの数などといったところになるでしょうか。

かつてMSXは、ゲームマシンとして任天堂のファミリーコンピューターなどと争う一面もありました。

現代であれば、任天堂のSwitchや、SONYのPlayStation5と争うことになるのでしょうか?

ゲームマシン以外の用途として見た場合は、次世代MSXというシステムの中核として、下位の「MSX0」の開発プラットフォームとしての役割や、そこから上がってくるデータの中継点、すなわちゲートウェイとしての役割を担うことになるのでしょうか?

とにかく「MSX3」という名称があまりにもセンセーショナルですので、最も注目を集めるカテゴリであるが故に期待される要素も多く、未だその真の姿は混沌としているように思います。


MSX Turbo - スーパーコンピュータ

個人的には、最も興味があり、最も重要なカテゴリであると思います。

初代のMSXのコンセプトは何だったでしょうか?

当時、高嶺の花だったパーソナルコンピュータを大量生産のマスプロダクト品として落とし込み、個人の購入が十分に可能な値段で広くユーザーに提供するというものだったはずです。

今では、コンピュータは一家に一台どころか、一人に一台、スマートフォンなどを含めれば一台以上が当たり前の時代となりました。

その時代の道筋を最初に作ったのは、西さん、その人であると言っても過言ではないと思います。

しかし、パソコンは気軽に買える時代となりましたが、かの「富嶽」のようなスーパーコンピュータはどうか?

とてもではありませんが、よほどの富豪でもないかぎり個人の所有は困難です。

しかし、数十年前のパソコンもそうだったんです。

すなわち、西さんは、そのスーパーコンピュータを個人の購入が十分に可能な値段で広くユーザーに提供してしまおう!と考えているのです。

MSXで得た自らの成功体験を時代を経て、更に大きなスケールで再現しようというのです。

この「MSX Turbo」、形として姿を表すのは来年以降となりそうです。

これの登場により、他のカテゴリのMSXの全てがこのスーパーコンピュータに接続され、有機的に連動し稼働することにより「次世代MSX」システムは完成を見るのでしょう。

もはやスーパーコンピュータは研究者だけの所有物ではありません。

誰もが自由に所有し、使えるものとなるのです。

そう、かつてのパーソナルコンピュータがそうだったように…。

これは楽しみで仕方ありません!よね?


以上のように、まだまだ謎が多い「次世代MSX」

「DEVCON 3」でどれだけのことが明らかになるのか?

当日はしっかり学んできたいと思います。



しかし、なぜ、この時期にリモートではなく対面でのDEVCONとなったのでしょう?

コロナ禍が落ち着いたということもあるのでしょうが、想定外の計画の遅延から「次世代MSX」の関心度が下がることを西さんが懸念したのでしょうか?

…でもねぇ、西さん。

僕たちは、もう何十年も待っていたんですよ。

今更、数ヶ月や半年程度の遅れなんて、誰も気にしちゃいませんゼ。

2022年11月26日土曜日

1chipMSXを発掘!?

こちらの記事で触れた会社のデスクのダンボール。

今日も探し物をしていると、ダンボールの一番奥底からコレを発見!

1chipMSX本体


中身は新品同様だけど箱はそれなりにボロボロ!

1chipMSXの外箱


2006年頃に発売されたMSX2相当の機能を持つ「1chipMSX」です。

そういや買った覚えがあるな~。

家でMSXを使う時は、パナソニックの「FS-A1」が現役なので、そればかりで遊んでいます。

なので、この1chipMSX、最近家で見ないなぁ~と思っていたら、まさか会社に置いてあるとは!

なにか仕事で使おうとしていたのでしょうか?

というのも、この1chipMSXは全てFPGAでMSX2相当の機能を実装しており、優れたFPGAの評価ボードとしての利用価値も持ち合わせています。

当時のツワモノは、独学でこれにロジックを付け加えて本来の「MSX2」より上位の「MSX2+」の機能を実装した方も居たとか居ないとか。

私がこれを会社に持ってきた理由は、おそらくこれを使ってVerilogやらVHDLやらの言語を学習したかったのでしょうかね。

さて内容物は以下の通り。


●本体

●ACアダプター

●取扱説明書

●CD-ROM

1chipMSXの内容物


付属のCD-ROMの中にはFPGAのソースを含む技術情報が満載。

これは貴重なデータ!

良い機会なので、CD-Rが劣化して読めなくなる前に中身をバックアップしましたよ…。

さて、本体のインターフェースは…?

先ずは前面。

左から…


●USBホスト(確か使えない)

●PORT A/B(コントローラーを接続して使えます!)

●SD/MMCスロット(仮想FDドライブ)

1chipMSXのインターフェース - 前面


次に背面のインターフェース。

左から…


●PS/2ポート(キーボードを接続)

●VGA15ピン(モニターを接続)

●S端子

●ビデオ・サウンド同軸コネクタ

●電源(5V)

1chipMSXのインターフェース - 背面


PS/2ポートとVGA15ピンというのが、時代を感じますなぁ。

問題は、コイツはまだ生きているのか?

動作確認をしてみましょう。

昔の私が変な改造をして、壊れてなければ良いけれど…。

電源ON!

おお!ノスタルジックなロゴ!!

1chipMSX起動画面


やった!BASIC動いた!

よしよし、壊れてはいないみたい。

念のため持ち帰って、スロットにゲームを刺して検証してみましょうか。

1chipMSXのBASIC


この1chipMSX、当時の価格が20790円、そして現在はプレミアが付いてヤフオクなどでは5万円から、箱付きであれば10万円くらいで取引されているようです。

(私は売らないよ?食べるものが無くなったら考えますが…)

ただねぇ…よっぽどのマニアでもない限りは手を出すのは止めておいたほうが良いでしょうね。

というのも、以前このブログで書いた「MSX DEVCON 1 Tokyo」の記事の中にあるように、西さん、これとよく似た筐体を「MSX3」としてツイートしてるんですよね。

ということは、この1chipMSXよりも遥かに高性能で完成度が高い新型が今後出てくることは間違いないです。

守秘義務の関係で詳しくは言えませんが、更に本来のMSXの形に近い製品の発売も予定されています。

なので、そういった物に備えてお金を取っておいたほうが良いですよ。

それでも落札するって人は尊敬します!

真の「」だからです。


さてさて、私の不思議なダンボール。

今度は何が出てくるかな?

いいかげんに整理整頓しろ!って言わないで。

2022年9月4日日曜日

MSX DEVCON 1 Tokyo その2

 「MSX DEVCON 1 Tokyo」へ行ってきました。

結論から言えば、守秘義務があるためここで当日の内容を発信することはできません。

ごめんなさい。


今回のDEVCONの内容は、確かに一般ユーザー向けの内容ではなかったのですが、元々ゲームマシンとしてのMSXではなく、他の分野への展開を期待していた私のような人間にとっては大いに腹落ちさせられました。

故に「DEVCON」だったのでしょうが。

もちろん、ゆくゆくは一般ユーザー向けの発表会やイベントの計画もあるそうですので大いに期待しましょう。


それにしても、勉強しなきゃいけないことが増えました。

おちおち仕事なんか、やってられないな。


DEVCONの会場は東京大学。これが大学の門かよ…。


こっちが正門。私みたいなバカがくぐると突然死するとかないよな?

と半ば本気でビビっていた。


安田講堂。かつてここを象徴とした一連の紛争は、

日本が一歩先へ進むための通過儀礼だったのだろう。


お土産をいただきました。西氏の著作でサイン入り。

こっちは神棚に置いて、Kindle版を買って読んでます。

2022年8月27日土曜日

MSX DEVCON 1 Tokyo その1

MSXというパソコンをご存知ですか?

詳しくはリンクのWikipediaを見ていただくとして、要は今から40年近く前、1983年に発表されたレトロPCのことです。


このMSXが、遂に現代の世の中に復活するというのです!

(MSXの立役者、西 和彦氏のツイートより。)


MSXの最終モデルが1991年に発売されてから30年あまりの沈黙を破り、再びどのような姿を表すのか?

西さん、オッサンになった僕らと今度は何をして遊んでくれるのか?

大変気になっていましたが、「MSX DEVCON 1 Tokyo」という発表会が開催される模様。

(同じく、西 和彦氏のツイートより。)


コロナで7月が9月に延期になったみたいですが、早速、参加を申し込みましたので行ってきます。

なにか遊べるものが発表されたら、実際動かしてみて今後ここで紹介できたらいいなぁ。

秘密保持契約がありますので、色々な情報を含めて、すぐには無理でしょうけどね。


幼少の頃、MSXには大変お世話になりました。

初めてBASICというプログラミング言語に本格的に触れたのが、MSXだったと思います。

MSXが無かったら、プログラマーやってなかったかも。

おかげで、日々納期に追われる生活が


…まあ、そう考えると、幸か不幸か…。

オープンソース・ソフトウェアのライセンス

仕事で自社の製品に組み込まれているオープンソース・ソフトウェアのライセンスについての調査を命じられました。 私も今までの経歴からオープンソースのソフトウェアを利用して製品開発を行ってきましたので、その手の書籍も熟読しており、人より少しだけライセンスについての知識は持ち合わせている...